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柘榴坂の仇討 [映画 さ行]

◆ 柘榴坂の仇討  を 試写会で 観ました。
2014/9/20(土)公開
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 浅田次郎の同名短編時代小説を「壬生義士伝」の中井貴一と「テルマエ・ロマエ」の阿部寛主演で映画化。江戸から明治へと時代が大きく変わる中、武士の矜持を捨てることなく、桜田門外の変で失った主君・井伊直弼の仇を追い続ける男と、武士を捨てて車引きとなり孤独に生きる刺客の最後の生き残りの男が、暗殺から13年後に迎えた邂逅の行方を描く。共演は広末涼子、中村吉右衛門。監督は「ホワイトアウト」「沈まぬ太陽」の若松節朗。
 安政七年(1960年)。時の大老・井伊直弼に仕える彦根藩士の志村金吾。桜田門外で暗殺者集団の襲撃を受けた際、直弼の警護役を務めながらその命を守りきることができなかった。その失態を恥じた両親は自害するも、自身は切腹を許されず、逃亡した水戸浪士を討ち取れとの藩命が下る。以来、献身的な妻セツに支えられ、仇を捜し続ける日々を送る。それから13年、時代は明治へと変わり、武士の世は終わりを告げ、彦根藩もすでにない。にもかかわらず、金吾の仇討ちへの執念は揺らぐことはなかった。そしてついに、18名の刺客の最後の生き残り、佐橋十兵衛の居場所を知る金吾だったが…。
≪ all cinema online より ≫


コレは観に行きたいと思っていたところにたまたま試写会が当たりました。 平日で、場所が中野=会社から自宅と逆方向、かつ、会社からの所要時間を考えると、若干、周囲に気が引ける感じの時間に「今日はちょっと失礼....」という感じになりますが、まぁ観たい映画なので行って来ました。

中井貴一は私と同世代ですが、最近はドラマの「最後から二番目の恋」でのキョンキョンとの軽妙な駆け引きが印象的。もちろん、真面目な芝居もきちんとできるとても演技の幅の広い巧い役者であることは分かっています。
対する阿部寛は、映画では、トリック、テルマエ・ロマエのような、本人は大真面目だがオカシイ役が印象的だし、ドラマでも、トリック、結婚できない男、ゴーイング・マイ・ホーム等のややコミカル・個性的な、見た目はカッコいいけどダメ男の印象と、新参者・加賀恭一郎のような寡黙な仕事の出来る男の印象の両方があります。
時代劇だと、私は 大帝の剣、隠し砦の三悪人THE LAST PRINCESS くらいしか見たことがなく、本格時代劇をやる阿部寛というのに、大いに興味が湧いていたわけです。

【鑑賞日:2014年9月11日(木)】

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いやぁ、素晴らしいです。 
この世界観・この映画は日本人にしか作れないと思います。 
静謐で張り詰めた武士としての矜持と雰囲気と緊張感。 
阿部寛の水戸浪士が身をやつした俥引きだって、雰囲気は町人、職人等とは違うサムライの雰囲気が隠していてもどこかに漂っています。

雪で、共の者が濡れ鼠では殿に恥をかかせるから合羽を着て柄袋を掛ける(=咄嗟に刀を抜くことはできなくなる)よう指示が出ていたことが、六十余人の護衛が僅か十八人の暴漢に襲撃されて後れを取った理由ですが、柄袋を掛けた護衛なんてお飾りでしかなく、セレモニーとしての行列であって本来的な護衛の意識が無かったんだろうなぁ....という感じ。徳川の太平の世から不穏な時代になっていたのに、一部の重臣の意識が古かった・太平楽であったが故の悲劇でした。

細かなところは観て味わっていただくとして、出演陣一人一人がしっかりとサムライの矜持や武家の妻の矜持を保ち続けている様は清々しく気持ちが良いものでした。

手首に巻いて願いがかなったときに切れる西洋のお守りというの(ミサンガですね...)を、広末涼子(中井貴一の妻役)が若い同僚から手首に巻かれてしまいます。
夫の仇討本懐が願いだとすると、本懐を遂げたら夫はそのあとおそらく切腹してしまう....かといって仇討がずっと出来ないことを武家の妻として願うとも思えない・・・・。 このお守りがどうなるかは見てのお楽しみ、です。

試写会が終わった時、後ろの方から疎らではあるものの、数名では足りないもっと大勢の拍手が起こりました。
釣られたわけではないですが、私も思わず小さく数度(ちょっと恥ずかしいので...)拍手して会場を後にしました。

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コメント 2

non_0101

こんにちは。
こういう時代劇はまさに日本映画ですね。
公開が楽しみです☆
by non_0101 (2014-09-15 11:41) 

怪しい探麺隊

>non_0101 さん
nice! とコメントをありがとうございました。
なかなか見応えのある気持ちのいい映画でした。
by 怪しい探麺隊 (2014-09-15 12:17) 

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