サンクタム [映画 さ行]
サンクタムを観ました。
公式HP http://sanctum-movie.jp/
そもそもは4/22公開の予定でしたが、震災の影響(内容への配慮)で延期されていたモノです。
アバターのジェームズ・キャメロンが製作総指揮(監督はしていない)で、アバターを超える3Dみたいなふれこみなので、期待しつつ3Dを鑑賞。
臨場感を表現する3Dとでもいうのか、冒頭のまだ平和なタイミングで地下洞窟の中の水で満たされた巨大空間に浮いている感覚は浮遊感が感じられてなかなかのモノでした。
結構、早い段階から安楽死に関する重いテーマがドーンと来ます。ただ、コレはひょっとすると欧米人の彼らにすると当然のモノなのかも知れず、テーマという大きさではないのかも。
死が避けられない場合に、早く楽にしてあげることに、彼らは積極的に対応します。自分だったら手は出せない感じがしつつ観ていました。
日本人だと生き残った方は「俺は○○をこの手で殺したんだ....」とその後ずっと悩みを抱え続ける…という状況を設定しそうだけれど、きっと、彼らは全くそういう発想をせずに「助からないなら無駄に長く苦しませるだけ。○○を苦しみから救ってやるのは当然のことで、本人も望むし温情なんだ」という風に考えるんだろうな....と思います。そういう発想の場合、逆に安楽死させてやらないことの方が非情だし、自分本位(後で悩みたくない等)な考え方と映るんだろうな・・・・と、文化とか思想の違いが彼我に大きく横たわっているんだな…と感じました。
始めは父親のそういう姿勢に大反発していた息子が一緒にサバイバルしていくうちに父と同じようになっていく成長の物語でもありました。もちろん、安楽死は別段この映画のメインテーマじゃないので、誤解なきように。
ストーリーのディテールはちょっと....と思う点(いわゆるツッコミどころ)が散見されます。
ツッコミどころはどんなストーリーでも多かれ少なかれあるもので、それが気になる場合と気にならない場合があります。それがそのヒトとその映画の相性なんだと思います(「ツッコミどころ山盛りだけれど大好き!!」という映画は実際、一杯ありますから)。
この作品は、私には、多少気になる点がありました。そういう瑣末なことが積み重なって全体の印象も決まると思うんですが。。。。
例えば・・・・
台風が来るというのに悠長過ぎるでしょ…、危機感が乏し過ぎるだろ…とか、生き残るのが最優先だろうに、ナニ、せっかくの配慮を無にしているの? …偉そうに主張して我を通してウェットスーツを着なかった結果として低体温でみんなの足引っ張って、他人の生存まで脅かしてしまったがそんな権利はアンタには無いだろ!! とか、自分でももう一回は来れなさそうな入り組んだところに逃げ込んでおいて「食料はあるから救助隊を待つ」ってどういう発想?とか.....(そうでないとストーリーが成立しない部分はありつつも、リアリティとしてはどう?! ストーリーを思うように持っていくためには強引だし、クサ過ぎるだろう・・・・と思いました。)
そもそも、冒頭部からして、パプア・ニューギニアの巨大洞窟で何のために何を調査しているのか…はろくに描かれていない(まったくないわけではない。膨大な地下水がどこかで海に流れ出しているはずでそのルートを解明したい…とは言っていました。ただ、それが学術的にどんな意義を持ち、成果が何の役に立つのかピンと来ないので、単なる壮大な道楽者集団に思えてしまう)。
このへん、宣伝上は単に『探検』、『冒険』で片付けている(冒険に理屈なんか要らない!!というスタンス?)けれど、それしか設定されていないからそれ以上説明のしようが無いのかも.....
登場人物が個々にどういう素姓の人物なのかも描かれていないし、公式HPにも説明が無いようで(済みません。あんまり隅々まで見てないです。探し方が悪いんなら謝りますが、見付けられなかった者としてはすぐにわかるところに書いてあった方が親切では…とも思います)、例えば、ヨアン・グリフィズの役は探検隊のスポンサーなのか、単に探検隊幹部(副隊長等)なのか、結局わからなかったし、その彼女というのも登山は相当やるという設定だったけれど、冒頭でチョロっと紹介されただけなので結局よくわからんかった(登山を相当やるなら低体温の恐ろしさは熟知しているはずで、あのシーンで(そりゃあ気持ち良くないのはわかるけれどソレしか無いし、生き残るにはソレしか方法が無いのに)ウェットスーツを拒むのは完全に矛盾だよなぁ...)。
説明が長くて面白くなくなる映画もあるので、バランスが難しいのは承知しています。この映画の製作側は説明は割愛してあのバランスが良いという判断だったんだろうし、私はもの足りなかったという「見解の不一致」なので仕方のないところだと思います。
昔から、こういうパニックものには、ほぼ必ず、「生き残るのが最優先にも関わらず、そういう理屈が理解できずに感情でワケのわからんことを言いだすヤツ」が出てきて、「あいま死亡フラグが立った...」とわかっちゃうんで、あんまり安易にやって欲しくない。みんなが必死に精一杯やって…の結果でも明暗はどうしようもなく分かれてしまうのが現実なんだから、死ぬべくして死ぬ、あそこでコッチを選んだから自業自得みたいな描き方はあんまり好きではないです。(そういうのばかりではないです、念のため!!! )
あと、観ていて痛そうで神経に障るシーンがチョビっとあって、そういうのが苦手なのでそこも私にはマイナスポイント。
結果的に、大雑把にいうとこの映画はポセイドンアドベンチャーなので、映像以外には新鮮味が乏しい気がしました。
・・・・うーーーん、すごく貶してるように読めるかもしれませんが、そういうことではありません。
迫力はあったし、映像はリアルで面白かったです。3Dで観る価値もあるとは思いました。
【鑑賞日:2011年9月17日】
公式HP http://sanctum-movie.jp/
そもそもは4/22公開の予定でしたが、震災の影響(内容への配慮)で延期されていたモノです。
アバターのジェームズ・キャメロンが製作総指揮(監督はしていない)で、アバターを超える3Dみたいなふれこみなので、期待しつつ3Dを鑑賞。
臨場感を表現する3Dとでもいうのか、冒頭のまだ平和なタイミングで地下洞窟の中の水で満たされた巨大空間に浮いている感覚は浮遊感が感じられてなかなかのモノでした。
結構、早い段階から安楽死に関する重いテーマがドーンと来ます。ただ、コレはひょっとすると欧米人の彼らにすると当然のモノなのかも知れず、テーマという大きさではないのかも。
死が避けられない場合に、早く楽にしてあげることに、彼らは積極的に対応します。自分だったら手は出せない感じがしつつ観ていました。
日本人だと生き残った方は「俺は○○をこの手で殺したんだ....」とその後ずっと悩みを抱え続ける…という状況を設定しそうだけれど、きっと、彼らは全くそういう発想をせずに「助からないなら無駄に長く苦しませるだけ。○○を苦しみから救ってやるのは当然のことで、本人も望むし温情なんだ」という風に考えるんだろうな....と思います。そういう発想の場合、逆に安楽死させてやらないことの方が非情だし、自分本位(後で悩みたくない等)な考え方と映るんだろうな・・・・と、文化とか思想の違いが彼我に大きく横たわっているんだな…と感じました。
始めは父親のそういう姿勢に大反発していた息子が一緒にサバイバルしていくうちに父と同じようになっていく成長の物語でもありました。もちろん、安楽死は別段この映画のメインテーマじゃないので、誤解なきように。
ストーリーのディテールはちょっと....と思う点(いわゆるツッコミどころ)が散見されます。
ツッコミどころはどんなストーリーでも多かれ少なかれあるもので、それが気になる場合と気にならない場合があります。それがそのヒトとその映画の相性なんだと思います(「ツッコミどころ山盛りだけれど大好き!!」という映画は実際、一杯ありますから)。
この作品は、私には、多少気になる点がありました。そういう瑣末なことが積み重なって全体の印象も決まると思うんですが。。。。
例えば・・・・
台風が来るというのに悠長過ぎるでしょ…、危機感が乏し過ぎるだろ…とか、生き残るのが最優先だろうに、ナニ、せっかくの配慮を無にしているの? …偉そうに主張して我を通してウェットスーツを着なかった結果として低体温でみんなの足引っ張って、他人の生存まで脅かしてしまったがそんな権利はアンタには無いだろ!! とか、自分でももう一回は来れなさそうな入り組んだところに逃げ込んでおいて「食料はあるから救助隊を待つ」ってどういう発想?とか.....(そうでないとストーリーが成立しない部分はありつつも、リアリティとしてはどう?! ストーリーを思うように持っていくためには強引だし、クサ過ぎるだろう・・・・と思いました。)
そもそも、冒頭部からして、パプア・ニューギニアの巨大洞窟で何のために何を調査しているのか…はろくに描かれていない(まったくないわけではない。膨大な地下水がどこかで海に流れ出しているはずでそのルートを解明したい…とは言っていました。ただ、それが学術的にどんな意義を持ち、成果が何の役に立つのかピンと来ないので、単なる壮大な道楽者集団に思えてしまう)。
このへん、宣伝上は単に『探検』、『冒険』で片付けている(冒険に理屈なんか要らない!!というスタンス?)けれど、それしか設定されていないからそれ以上説明のしようが無いのかも.....
登場人物が個々にどういう素姓の人物なのかも描かれていないし、公式HPにも説明が無いようで(済みません。あんまり隅々まで見てないです。探し方が悪いんなら謝りますが、見付けられなかった者としてはすぐにわかるところに書いてあった方が親切では…とも思います)、例えば、ヨアン・グリフィズの役は探検隊のスポンサーなのか、単に探検隊幹部(副隊長等)なのか、結局わからなかったし、その彼女というのも登山は相当やるという設定だったけれど、冒頭でチョロっと紹介されただけなので結局よくわからんかった(登山を相当やるなら低体温の恐ろしさは熟知しているはずで、あのシーンで(そりゃあ気持ち良くないのはわかるけれどソレしか無いし、生き残るにはソレしか方法が無いのに)ウェットスーツを拒むのは完全に矛盾だよなぁ...)。
説明が長くて面白くなくなる映画もあるので、バランスが難しいのは承知しています。この映画の製作側は説明は割愛してあのバランスが良いという判断だったんだろうし、私はもの足りなかったという「見解の不一致」なので仕方のないところだと思います。
昔から、こういうパニックものには、ほぼ必ず、「生き残るのが最優先にも関わらず、そういう理屈が理解できずに感情でワケのわからんことを言いだすヤツ」が出てきて、「あいま死亡フラグが立った...」とわかっちゃうんで、あんまり安易にやって欲しくない。みんなが必死に精一杯やって…の結果でも明暗はどうしようもなく分かれてしまうのが現実なんだから、死ぬべくして死ぬ、あそこでコッチを選んだから自業自得みたいな描き方はあんまり好きではないです。(そういうのばかりではないです、念のため!!! )
あと、観ていて痛そうで神経に障るシーンがチョビっとあって、そういうのが苦手なのでそこも私にはマイナスポイント。
結果的に、大雑把にいうとこの映画はポセイドンアドベンチャーなので、映像以外には新鮮味が乏しい気がしました。
・・・・うーーーん、すごく貶してるように読めるかもしれませんが、そういうことではありません。
迫力はあったし、映像はリアルで面白かったです。3Dで観る価値もあるとは思いました。
【鑑賞日:2011年9月17日】
デヴィッド・ハーシュフェルダー/オリジナル・サウンドトラック『サンクタム』
- アーティスト: オリジナル・サウンドトラック
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2011/08/24
- メディア: CD
タグ:サンクタム
> のむら さん
nice! をありがとうございます。
by 怪しい探麺隊 (2011-10-01 11:03)