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ザ・イースト [映画 さ行]

 ◆ ザ・イースト を観てきました。
2014/1/31(金)公開
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 カルト教団をテーマにした「Sound of My Voice」で注目された監督のザル・バトマングリッジと主演のブリット・マーリングのコンビが、自らの実体験をヒントに再び共同脚本を手がけて描く戦慄の社会派サスペンス・ドラマ。大企業の依頼で謎の環境テロリスト集団に潜入したヒロインを待ち受ける衝撃の運命をスリリングに描く。共演はアレキサンダー・スカルスガルド、エレン・ペイジ、パトリシア・クラークソン。
 元FBIエージェントのジェーンは、大企業をクライアントに持つセキュリティ会社に雇われ、実態の掴めないテロ集団“イースト”への潜入という任務を与えられる。イーストは、世界各地で環境破壊を行っているグローバル企業に対して過激な報復活動を行っている正体不明の環境テロ集団。ジェーンは彼らの身元を割り出すためサラと名乗り、たった一人で潜入捜査へと向かう。そしてイーストとの接触に成功、無事彼らに迎えられたサラ。彼らと行動を共にするうち、大企業の横暴ぶりやビジネス優先の上司に疑問を感じる一方、リーダー、ベンジーの思想に共感していくサラだったが…。
≪ all cinema online より ≫


【鑑賞日:2014年2月1日(土)】


主演のブリット・マーリングという美人のオネーサンが製作と共同脚本もやってるとのこと。才媛である。彼女自身がフリーガン(※)と一緒に旅をした経験があり、この映画の中で活かされている。
 ※語源は「free」と完全菜食者をあらわす「vegan」であり、1960年代のヒッピー文化が源流とされる。大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会を批判する立場から、廃棄物の回収・再利用を生活の一部に取り入れるのがフリーガンである。回収するものは食品に限らない。基本的には自宅も職業も持つ人々であり、廃棄物回収は生業あるいは唯一の生活手段ではない。≪Wikipediaより≫
・・・・と書くと(↑)、日本ではまず最初にホームレスの生活スタイルを想像してしまうので、この映画の話から逸れちゃうんだけれど、潜入する「環境破壊企業に対するテロリスト」である「ザ・イースト」の生活スタイルは完全にこのフリーガンである。

この映画のように環境破壊や薬害を撒き散らしながら儲かるからと嘘で塗り固めて知らん振りをしている企業にテロを仕掛ける人々が実在するのかどうか知らない。この主人公の元FBIエージェントで、いまや民間セキュリティ会社の調査員という存在の職業が、いったいどれだけの報酬に見合う職業なんだろう・・・・と思うと、ピンと来ない。いつまでになるか期間も分からない潜入調査で素性がバレたら生命の危機なんて仕事は報酬で考えたら割りが合うわけがなく、遣り甲斐・使命感が支えなのだろう・・・と思うものの、家族とか自分の生活を完全に犠牲にしないと成り立たない。 この主人公は同棲する恋人には職業は明かしていて「ドバイへの長期出張」と嘘を言って潜入調査に赴く.....なんだか、割り切れないものを感じる。相手に対して誠実ではない。彼女の価値観では恋人への想いよりも、今期の潜入調査の方が上位にある。・・・・むむむむむむ・・・・である。

もうひとつ、よろしくないと判断した対象にテロ(攻撃)を仕掛けちゃうという過激な行動パターンも、・・・・むむむむむむ・・・・である。この攻撃性はやっぱり肉食で狩猟者の発想がベースになっている気がして、基本的に農耕民族の末裔がほとんどの日本人にはなかなかピンと来ない…と、個人的に勝手に思っている。

民間セキュリティ会社の上司であるパトリシア・クラークソンは、テロ対象企業が自社の顧客であるか否かで選別する冷徹な態度をとる。人々に危害が及ぶか否かを行動基準にしようとしていた主人公が、テロ実行に際し上司に緊急通報したら「そこは顧客じゃないから放っとけ」的なことを言われ、「ん?!」となるんだけれど、この「上司の判断」は「・・・・むむむむむむ・・・・」ではあるものの、行動原理が理解できる(共感しないけど)。「そういう『カネになるか』が全ての判断の基準であるヤツが存在する」ことは理解していて、そういうヤツがカネのために犯罪に走れば社会への実害だけれど、法を踏み外さない限りはそれは自分とは違う一つの考え方として共存できる。よろしくないと判断した対象にテロ(攻撃)を仕掛けちゃうという過激な行動パターンとは、共存できない。彼らは法治国家の領域外にいる存在。どこか好きなところに行って自分たちだけの閉じた世界でやりあっていてくれ、この社会の中ではテロ対象が為している害とアンタ達がやってることは同じどちらも害ひとつ害が増えただけだ。
この映画の中のザ・イーストは、やられた分だけやり返す、と過剰な攻撃はしないということを主義としている。しかし、公表してマスコミやネット世論で社会的制裁を加える等の手段もあり得るなか、あくまで、自らが攻撃主体となった私的制裁を繰り返す。議論でなく暴力を選んでいる。
自警行為は法治国家内では許されない、と思う。

世の中にいろいろな考え方があることはわかっているんだけれど、根本的に自分とは違う考え方がいくつも出てきて、終始、「・・・・むむむむむむ・・・・」と思い続けた面白い映画でした。
パンフは800円しました。まだ、摘み読みしかしていないけれど、読みでがありそうです。
映画館はかなり混んでいました。「へぇ.....」と思いました。




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