アップサイドダウン 重力の恋人 [映画 あ行]
アップサイドダウン 重力の恋人 を観た。
異なる重力の影響で上下が逆転した2つの世界の間で繰り広げられる禁断の恋の行方を描く異色のSFファンタジー・ラブ・サスペンス。真逆の重力が生み出すユニークな世界観が、観る者の平衡感覚を混乱させる摩訶不思議なヴィジュアルで綴られてゆく。主演は「ワン・デイ 23年のラブストーリー」のジム・スタージェスと「マリー・アントワネット」のキルステン・ダンスト。監督はアルゼンチンの巨匠フェルナンド・E・ソラナスを父に持つフアン・ソラナス。
正反対の方向に重力が作用する不思議な双子惑星。互いの惑星はそれぞれの頭上に向き合うように存在し、一方の重力はもう一方の物質に対しては決して作用を及ぼさなかった。そんな2つの世界は、富める“上の世界”と貧しい“下の世界”という関係にあり、双方の交流は厳しく禁じられていた。そんな中、下の世界に暮らす少年アダムは、上の世界の少女エデンと恋に落ち、人目を忍んで密会を重ねる。ある日、その密会現場を警備隊に見つかり、逃げようとしたエデンは上の世界に激しく落下してしまう。10年後、アダムは死んだと思い込んでいたエデンが今も生きていることを知る。エデンとの再会を願うアダムは、2つの世界を繋ぐ唯一の巨大企業“トランスワールド社”の社員となり、危険な上の世界への潜入を試みるが…。
絵柄が面白いと思います。 アイデア勝負の映画であることは宣伝で分かるので、その勝負のアイデアを観たくなりました。
【鑑賞日:2013年9月10日(火)】
以下、ネタばれです。
イマイチ、アイデアを完全に消化して活かせていない気がする....
冒頭で二重星の不思議な世界で、↑の重力と↓の重力が有って....と簡略な設定説明があって、なんか星の軌道のような絵も出てきて、『この映画の中の世界のお約束』として、概略以下が説明される。
◆ 「上の世界」と「下の世界」がある。
◆ 「上の世界の物質、人間も含む生物」には、上の星の重力が及び、下の星の重力は一切影響しない。同様に、「下の世界の物質、人間も含む生物」には、下の星の重力が及び、上の星の重力は一切影響しない。(…なので、異なる世界のモノ・ヒトは上に落ちて行く・・・・)
◆ 「逆さまの相手側の世界」の物質を逆物質と呼んでいたけれど、逆物質を一緒にしておくと、1時間経つと発熱し燃え上がる(「徐々に発熱し発火が1時間後」という意味の様ではあるが、映画の中の描かれ方では1時間経つまではケロリとしていて、 1時間経過後に急激に温度上昇する様な描かれ方だった。まぁ、いいけど....)。
◆ 「上の世界」は裕福で何でも揃っている。一方、「下の世界」は上に搾取されて貧しくどん底の生活。
◆ 両世界を唯一結んでいるのは「トランスワールド社」。下の世界の原油を汲み上げて、上の世界に持って行き、富の源泉にしている....
・・・と、こんな世界の、世界の果ての辺境?にそれぞれ、山岳地帯があって、立ち入り禁止地域になっている。 ・・・その山の頂同士は意外にも近く、少年・少女がロープを投げ、身体を括り付けて引き寄せれば、上の世界の少女を下の世界に引っ張り上げ(引きずり降ろして)一緒に遊ぶことができるほど近く....と始まる。(ヒト同士は逆物質ではないんだろうか....)
まぁ、思ったとおり、絵柄は大変に面白い。
アイデアとしても、両世界に跨る存在として、ピンクのミツバチが集めるピンクの花粉(※)とか、面白いネタはいっぱい出てくる。
※ 重力を中和するような効果を持っている。コレはとても重要で貴重....
階級社会を皮肉っぽく描いているのかというと、実はそんなことは全然ない印象(※)で、単なるファンタジックなラブ・ストーリーでした。
※裕福な世界と貧しい世界、搾取、差別みたいなことは出てくるけれど、それをテーマにしていない。
逆物質でできた重り?付きの靴とベストで、逆さまになって(本人の意識の上では天井に貼り付いて)必死で彼女に会いに行く様子がけなげだし、面白い...(逆立ち状態の割りには頭に血が登ったり辛そうな様子はないけれど....)
なんか、最後はちょっとめんどくさくなって急にまとめちゃったのかな....という印象。(製作費足りなくなって、短くしたの???ってくらい急展開で大団円。連続ドラマが放送回数縮められたときによくあるパターン)
その他感じたこと(↓)
◆トランスワールド社の社屋は両世界を繋ぐ形で建っていて、真ん中に0階が有って、お互い上を見れば別世界の同僚が「天井から生えたような机と椅子で逆さになって仕事している」ような様子が見える環境。以下、各々に、1階・2階・3階・・・・、-1階・-2階・-3階・・・・というフロア構成。面白い....
◆下の世界の住人である主人公は、10年前に離れ離れになった上の世界の少女が忘れられず、彼女に逢うためにトランスワールド社に就職し、研究職になる。・・・で0階のオフィスで、上の世界の住人である年上の同僚と仲良くなって、研究するうちにピンクの花粉を使った化粧クリームを発明。歳をとって弛んだ肌をリフトする効果があって、見た目が若返る→実験では、お婆ちゃんが絶世の美女になった(笑)
◆高級なクラブ?のなんとかでは、上と下で各々ダンスをしていて面白い図柄(あれ?トランスワールド社が唯一、上下を繋いでいるはずなのに??? 確かに外観は繋がっていなかったみたい。アレは下の世界のダンサーを雇って天井で躍らせてるのか???)
◆そもそも引力は質量に比例し、距離の二乗に反比例するので、上の世界のヒト・モノと下の世界のヒト・モノに選択的に作用するなんてことはあり得ないし、万有引力の法則は全宇宙共通のはずなんだけれど、それを言っちゃうとこのファンタジーは成立しないので、独自の物理法則の働く不思議な世界のお話…と目を瞑ると何でもありになってしまう..... だから「体質が変わったの」ってのもアリなのかな.....
◆あんな風に空(頭上)に別の世界が被さっていると、太陽はどこから当たるのか? 昼と夜はあったが、どのように訪れるのか...絶対に普通ではないはずなんだけれど、そこんところは説明が無かった....(年がら年中、皆既日食中みたいに陽光の当たらない地域があるはずなんだけど....)
◆そもそも、面と面が向かい合っている風で、天体(球)と天体(球)には見えなかった。
◆建物で繋がっているということは相対的には動いていないということ.....。 辺境の故郷の山頂の相対位置も動いていなかった。 いったいどんなふうに自転しているんだろう??? 有り得ない気がしてきた.....
独自の物理法則の働く不思議な世界のお話だから、いろいろ考えるだけ無駄なので、もう止めます。
不思議な映像(とそのアイデア)、ピュアなラブストーリーを観るための映画でした。
2013/9/7(土)公開
異なる重力の影響で上下が逆転した2つの世界の間で繰り広げられる禁断の恋の行方を描く異色のSFファンタジー・ラブ・サスペンス。真逆の重力が生み出すユニークな世界観が、観る者の平衡感覚を混乱させる摩訶不思議なヴィジュアルで綴られてゆく。主演は「ワン・デイ 23年のラブストーリー」のジム・スタージェスと「マリー・アントワネット」のキルステン・ダンスト。監督はアルゼンチンの巨匠フェルナンド・E・ソラナスを父に持つフアン・ソラナス。
正反対の方向に重力が作用する不思議な双子惑星。互いの惑星はそれぞれの頭上に向き合うように存在し、一方の重力はもう一方の物質に対しては決して作用を及ぼさなかった。そんな2つの世界は、富める“上の世界”と貧しい“下の世界”という関係にあり、双方の交流は厳しく禁じられていた。そんな中、下の世界に暮らす少年アダムは、上の世界の少女エデンと恋に落ち、人目を忍んで密会を重ねる。ある日、その密会現場を警備隊に見つかり、逃げようとしたエデンは上の世界に激しく落下してしまう。10年後、アダムは死んだと思い込んでいたエデンが今も生きていることを知る。エデンとの再会を願うアダムは、2つの世界を繋ぐ唯一の巨大企業“トランスワールド社”の社員となり、危険な上の世界への潜入を試みるが…。
≪ all cinema online より ≫
絵柄が面白いと思います。 アイデア勝負の映画であることは宣伝で分かるので、その勝負のアイデアを観たくなりました。
【鑑賞日:2013年9月10日(火)】
以下、ネタばれです。
イマイチ、アイデアを完全に消化して活かせていない気がする....
冒頭で二重星の不思議な世界で、↑の重力と↓の重力が有って....と簡略な設定説明があって、なんか星の軌道のような絵も出てきて、『この映画の中の世界のお約束』として、概略以下が説明される。
◆ 「上の世界」と「下の世界」がある。
◆ 「上の世界の物質、人間も含む生物」には、上の星の重力が及び、下の星の重力は一切影響しない。同様に、「下の世界の物質、人間も含む生物」には、下の星の重力が及び、上の星の重力は一切影響しない。(…なので、異なる世界のモノ・ヒトは上に落ちて行く・・・・)
◆ 「逆さまの相手側の世界」の物質を逆物質と呼んでいたけれど、逆物質を一緒にしておくと、1時間経つと発熱し燃え上がる(「徐々に発熱し発火が1時間後」という意味の様ではあるが、映画の中の描かれ方では1時間経つまではケロリとしていて、 1時間経過後に急激に温度上昇する様な描かれ方だった。まぁ、いいけど....)。
◆ 「上の世界」は裕福で何でも揃っている。一方、「下の世界」は上に搾取されて貧しくどん底の生活。
◆ 両世界を唯一結んでいるのは「トランスワールド社」。下の世界の原油を汲み上げて、上の世界に持って行き、富の源泉にしている....
・・・と、こんな世界の、世界の果ての辺境?にそれぞれ、山岳地帯があって、立ち入り禁止地域になっている。 ・・・その山の頂同士は意外にも近く、少年・少女がロープを投げ、身体を括り付けて引き寄せれば、上の世界の少女を下の世界に引っ張り上げ(引きずり降ろして)一緒に遊ぶことができるほど近く....と始まる。(ヒト同士は逆物質ではないんだろうか....)
まぁ、思ったとおり、絵柄は大変に面白い。
アイデアとしても、両世界に跨る存在として、ピンクのミツバチが集めるピンクの花粉(※)とか、面白いネタはいっぱい出てくる。
※ 重力を中和するような効果を持っている。コレはとても重要で貴重....
階級社会を皮肉っぽく描いているのかというと、実はそんなことは全然ない印象(※)で、単なるファンタジックなラブ・ストーリーでした。
※裕福な世界と貧しい世界、搾取、差別みたいなことは出てくるけれど、それをテーマにしていない。
逆物質でできた重り?付きの靴とベストで、逆さまになって(本人の意識の上では天井に貼り付いて)必死で彼女に会いに行く様子がけなげだし、面白い...(逆立ち状態の割りには頭に血が登ったり辛そうな様子はないけれど....)
なんか、最後はちょっとめんどくさくなって急にまとめちゃったのかな....という印象。(製作費足りなくなって、短くしたの???ってくらい急展開で大団円。連続ドラマが放送回数縮められたときによくあるパターン)
それにしても、いつのまに.....
「体質が変わったの」って一言で片付けられても......
その他感じたこと(↓)
◆トランスワールド社の社屋は両世界を繋ぐ形で建っていて、真ん中に0階が有って、お互い上を見れば別世界の同僚が「天井から生えたような机と椅子で逆さになって仕事している」ような様子が見える環境。以下、各々に、1階・2階・3階・・・・、-1階・-2階・-3階・・・・というフロア構成。面白い....
◆下の世界の住人である主人公は、10年前に離れ離れになった上の世界の少女が忘れられず、彼女に逢うためにトランスワールド社に就職し、研究職になる。・・・で0階のオフィスで、上の世界の住人である年上の同僚と仲良くなって、研究するうちにピンクの花粉を使った化粧クリームを発明。歳をとって弛んだ肌をリフトする効果があって、見た目が若返る→実験では、お婆ちゃんが絶世の美女になった(笑)
◆高級なクラブ?のなんとかでは、上と下で各々ダンスをしていて面白い図柄(あれ?トランスワールド社が唯一、上下を繋いでいるはずなのに??? 確かに外観は繋がっていなかったみたい。アレは下の世界のダンサーを雇って天井で躍らせてるのか???)
◆そもそも引力は質量に比例し、距離の二乗に反比例するので、上の世界のヒト・モノと下の世界のヒト・モノに選択的に作用するなんてことはあり得ないし、万有引力の法則は全宇宙共通のはずなんだけれど、それを言っちゃうとこのファンタジーは成立しないので、独自の物理法則の働く不思議な世界のお話…と目を瞑ると何でもありになってしまう..... だから「体質が変わったの」ってのもアリなのかな.....
◆あんな風に空(頭上)に別の世界が被さっていると、太陽はどこから当たるのか? 昼と夜はあったが、どのように訪れるのか...絶対に普通ではないはずなんだけれど、そこんところは説明が無かった....(年がら年中、皆既日食中みたいに陽光の当たらない地域があるはずなんだけど....)
◆そもそも、面と面が向かい合っている風で、天体(球)と天体(球)には見えなかった。
◆建物で繋がっているということは相対的には動いていないということ.....。 辺境の故郷の山頂の相対位置も動いていなかった。 いったいどんなふうに自転しているんだろう??? 有り得ない気がしてきた.....
独自の物理法則の働く不思議な世界のお話だから、いろいろ考えるだけ無駄なので、もう止めます。
不思議な映像(とそのアイデア)、ピュアなラブストーリーを観るための映画でした。
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