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トータル・リコール [映画 た行]

トータル・リコールを観ました。
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1990年版のシュワちゃんのももちろん見ています。アレはアレで好きです。
なんでまた、あの映画をもう1回作るの?と、安易にリメイクに走るのはどうなんでしょう…と思っていたのは事実です。

そう思いつつ観に行ったら、新作は新作でかなり面白い映画になっていました

【鑑賞日:2012年8月10日(金)】

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以下、ネタばれです。

設定のうち、舞台が大きく変えてあります。(人物設定とか、「お前はリコール社で夢見てるんだよ」と言いくるめに来る奴がいるところ等、筋立ては結構忠実に踏襲しています。)

旧作は地球と火星の話で、地球政府の高官(火星植民地の長官)が植民地火星を貴重な空気を脅し材料にして搾取していて、火星独立を図るレジスタンスが…という話でしたが、今回は地球だけの話です。(旧作は、だいたい覚えていたけれど、録画したディスクを持っているので今回改めて復習しました。)

地球は化学兵器を使った戦争で居住可能地域が、現イギリス周辺のユナイテッド・フェデレーション・オブ・ブリテン(UFB)と現オーストラリア周辺のコロニーの、地球の対極にある2カ所だけとなっていて、UFBが豊かな搾取階級が住む国家コロニーが被搾取階級である労働者が住む国家二極化している設定。
・・・で、労働者は地球のコアを貫く垂直落下の超高速巨大エレベーター(ご丁寧に中心で重力の反転に合わせて上下がぐるんとひっくり返る機能付)で、地球の反対側に毎日通勤している。・・・で、この超高速巨大エレベーターが差別と圧政の象徴なんだそうです。
工場等がなぜかコロニーではなくUFBにある設定なんですね。フツーに考えれば、経済性からはコロニーに工場を作り職住近接させておいて、UFBは利益と産物だけ吸い上げると思うんですが、そうしちゃうとこの象徴のエレベーターを建設する必要がなくなって、話の芯が無くなっちゃうんですね....[ふらふら]

主人公は、旧作ではムキムキ・シュワちゃんがドガガガ・・・と土木工事をしていましたが、今回はコリン・ファレルが工場労働者でラインで警官ロボットの組み立て作業。よりフツーの男らしさを狙ったキャスティングということで、確かにシュワちゃんじゃフツーのヒトには見えないから、これは成功しています。
旧作ではシャロン・ストーンが演じていた妻(実は監視役)ケイト・ベッキンセールが演じていますが、魅せ場がずっと増えているのは監督がダンナだからでしょうか...(レン・ワイズマン監督は、どうも心から奥さんを愛しているようで、奥さんの美しくカッコいいところを巧く強調した映画ばっかり撮っている気がする...。きっとこう感じているのは私だけではない、と思う。)実は妻じゃなかった…とバラしてからも、執拗にコリン・ファレルを追いかけるけれど、いやはや実にスーパーレディというか、大活躍....
コリン・ファレルの逃げ方はなかなか凄かったけれど、どこまでも追ってくるケイト・ベッキンセールはターミネーター3の女性型ターミネーターのように執拗で、動きは遥かに敏捷で、なかなかの迫力とコワさ。

…で、夢の彼女はジェシカ・ビールなんだけれど、こちらも見せ場はあるけれど、ちょっと少ない。2人の女の対決シーンとかもあったけれど...
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ポスターだって、ケイト・ベッキンセールの方が少し大きく・前に出ていて対等な扱いじゃなく差をつけられています
旧作のメリーナは結構ガタイのいいゴツイおねえさんという印象だったので、ジェシカ・ビールの方が「夢の女」というイメージには合う感じでした。

旧作では、火星の先住民である謎のエイリアンが残したピラミッドの遺跡の中に、超巨大な氷の塊とその分解装置があって、結末部分でそれを作動させると火星に不足していた呼吸可能な大気が物凄い勢いで吹き出し、あっという間にテラフォーミング(地球化)が完了し、火星植民地が空気を分けてもらうために地球政府に服従する必要がなくなって、解放され、メデタシメデタシ・・・という結末だったが、今作では圧政の象徴である超高速巨大エレベーターを破壊するということで、それに代えています。
・・・でも、なんだか、エレベーターだけ壊れればそれでいいのか?という疑問は残ります。
広い地球のほとんどが汚染で居住不可能な中、地球の反対側に2カ所だけ残った居住可能地域がバラバラで行き来できなくなっちゃいました。    なんか、共倒れになるんじゃないの…。 
一方が搾取しもう片方が服従するしかないという図式は全くよろしくないものの、じゃぁ縁を切ればいいのかというものではなかろう、と思います。コロニーはコロニーだけで成り立つのか....(たぶん、諸々の生産設備はUFB側にあるんですよね... 工場をUFBに作ったのはそこまで考えての安全策? でも、UFBも働き手無しで生産設備だけ持っててもねぇ.... 急ぎオートメ化する? できるところは当然やってたでしょ? )

旧作は火星が地球に服従する必要がなくなったから、これからは対等の関係を目指してさまざまなことが改善方向に動くかな…という希望の芽を何となく感じるんですが、新作は、エレベーターは壊れたね、それから・・・・? と少し中途半端な感じ。

活劇としては、スピーダーのような車でのカーチェイスだの、ブレードランナーのロサンゼルスのようなコロニーの街での追跡劇だのが、とてもよくできていて面白かったんですが、話の芯がしっかりしていない印象が残りました。

スピーダーは、路面の上を浮上走行するチェイスシーンと、下に降りて路盤の下にぶら下がるような(吊り下げられモノレールのレール無し=上の路盤から磁気で吊られて高速走行する)チェイスシーンの両方が連続していて、おぉ空間利用に無駄がないな・・・と面白かったです。

コロニーの街は、ブレードランナーの市街を日本から少し中国に寄せた感じで面白い。ブレードランナーでは、看板やネオンにひらがな交じりの日本語(強力わかもとの芸者ガールとか、レプリカントの眼を作っていた職人の住い近辺のネオンとか...)があったので日本を感じさせたんですが、今回は漢字主体かつ、出ている役者も明らかに中国系。
ハリウッドは中国の巨大マーケットを無視し得ないので、007の悪役も中国人設定を止めて…なんて話を聞きますが、今回もそんなを感じました。


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コメント 4

non_0101

こんばんは。
シュワちゃん版が好きだったので、ちょっと不安もあったのですけど、
かなり設定が変わっているので新しい気持ちで楽しめました~
あの街並みはniceでした。
これからどうなるかは、ちょっと知りたいですよね(^^ゞ
やっぱり酸素で解決という感じではないですから☆
by non_0101 (2012-08-17 23:46) 

怪しい探麺隊

> JUN さん
nice! を ありがとうございました。
by 怪しい探麺隊 (2012-08-18 00:43) 

怪しい探麺隊

> のむら さん
nice! を ありがとうございました。
by 怪しい探麺隊 (2012-08-18 00:43) 

怪しい探麺隊

> non_0101 さん
nice! とコメントを ありがとうございました。
基本設定(舞台設定)は違うけれど、筋立ては驚くほど忠実でした。
細かなアレンジが「おぉそう来たか...」という感じでマニアックに楽しめます。(出国管理突破の人相変えツールとか...)
あのシーンでコリン・ファレルの前に居た赤い服のおばちゃんは1990年版のあの顔が割れてシュワちゃんが出て来るヒト、本人(同じ役者)でしたよ、たぶん。
by 怪しい探麺隊 (2012-08-18 00:49) 

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